債務整理を行った後のクレジットカードについて

借金がどんどん増えると、返済ができなくなることがあります。 そんな時の救済方法が債務整理です。 借金の利息をなくすことや、全額免除することができるメリットがありますが、当然デメリットもあります。

債務整理の自己破産と個人再生、任意整理は、手続きを行うと一定期間のクレジットカードの利用や作成ができなくなるという共通点があります。

そこで今回はいつから使えるようになるのか、代用できるカードなどについて紹介していきます。

債務整理をするとブラックリストに載ってしまう

ブラックリストとは？

「債務整理をするとブラックリストに載る」とよくいわれますが、ブラックリストとはどんなものなのでしょうか。

実は、ブラックリストと称されるリストや名簿が実在するわけではありません。
債務整理をすると、「個人信用情報」に金融事故情報が登録されます。 この状態が「ブラックリストに載る」ということです。

「個人信用情報」とは金融機関が共有しているもので、社会的に信用できる人物かどうかを判断したいときに使用されます。
その内容は氏名や年齢、生年月日や住所、職業や年収はもちろんのこと、現在の借入金額や過去の返済履歴などのお金に関する情報が登録されています。

「個人信用情報」事故情報が一度登録されてしまうと、完済してもその後5年～10年の間は削除されません。 この期間は、債務の種類や個人信用情報機関によって異なります。

債務整理をするとブラックリストに登録される

債務整理を行うとブラックリストに登録されますが、これは債務者が、社会的に「借金の返済能力に不安がある」と判断された証拠でもあります。

本来、金融機関では新規借入の申し込みがあった場合、「個人信用情報」の登録情報を確認します。 もしも、この時点で事故情報があれば、通常は貸し付けを行いませんし、住宅ローンや車のローンなども組めなくなります。

さらに、クレジットカード会社も「個人信用情報」を使って申請の許可の確認を行うので、事故情報が見つかれば新規のクレジットカードの発行許可はおりません。

法的に借金を減額したり、ゼロにできる手段として活用される債務整理ですが、事故情報が登録されますから「個人信用情報」に傷をつけてしまうことは明白です。 債務整理を考えている人は、このことを肝に銘じておくことが大事です。

債務整理をするとクレジットカードの作成・利用ができない

クレジットカードは個人信用情報が重要

クレジットカードの契約をする際、個人信用情報というその人のお金の取引の履歴が審査の基準の一つとなっています。

この個人信用情報には携帯電話料金などといった月々の支払いや、ローンなどの借金がある場合にその返済の記録がされています。 月々の支払いが出来るかどうかの基準としてその人の収入を審査して、審査に通った場合のみ契約を結ぶことが出来ます。

毎月しっかり支払いを怠っていなければ特に問題はないのですが、延滞や借金をしていたりするとそれも記載されており、月々の支払い能力がないと判断されてクレジットカードの審査に通らなくなります。

金融事故を起こすとクレジットカードの作成や利用ができなくなる

携帯電話などの料金の月々の支払いを怠って強制解約になってしまった場合や、債務整理をした場合、金融事故として個人信用情報にそのことが記録されてしまいます。

個人信用情報を確認してみて事故情報が記載されていると、金融事故を起こした状態とわかります。

事故情報の記載があった場合、返済能力がないと判断されてしまいクレジットカードを作成することはできなくなります。 すでに契約しているクレジットカードに関しても、金融事故の履歴があることがわかったタイミングで、解約されてしまいます。

住宅ローンも組めなくなる

クレジットカードと同様、債務整理をしていればもちろん住宅ローンも組むことが出来なくなります。 住宅ローンの審査時も個人信用情報を参照しますので、事故情報が登録されていると返済能力がないと判断されてしまい、住宅ローンを組むことができません。

債務整理後はクレジットカードの作成はできない

基本的には、債務整理をした後はクレジットカードを作成することはできません。なぜならば、ブラックリストに載っているからです。

「ブラックリストに載る」といわれるのは、借金返済の延滞や債務整理などをした場合に、その情報が個人信用情報機関に事故情報として登録されることをいいます。ブラックリストに載ったことで、今までの返済履歴や借金額、債務整理の内容が記載されます。

クレジットカードの審査ではその情報を判断基準の参考にするため、登録されている場合は審査が通らず、作ることができません。

時に、ブラックリストに掲載されていても作成できるクレジットカードはあるといわれています。 しかし、返済能力がないと判断されるのがほとんどなので、基本的に作ることはできません。

もっとも、一定の期間が過ぎると事故情報は抹消されます。事故情報の記録がなくなれば、クレジットカードを新たに作成できるようになります。ただ、債務整理の対象にしたクレジットカード会社のクレジットカードは、会社独自のデータベースに情報が保存されているため作ることは不可能です。 したがって、1度も取引をしていない会社を選択して、審査を申し込む必要があります。

債務整理後にクレジットカードを使えるようになる期間はいつ

任意整理の期間

任意整理をすると、ブラックリストとして登録されてしまいます。

ブラックリストに登録されると、一定の期間クレジットカードの作成・利用ができなくなってしまいます。

個人信用情報機関は主に3つあります。JICC（株式会社日本信用情報機構）だと5年間、CIC（株式会社シー・アイ・シー）は任意整理だとブラックリストに登録されることはありません。また、KSC（全国銀行個人信用情報センター）も任意整理で登録されることはありませんが、銀行の代位弁済は事故情報として登録され、その代位弁済の登録期間は5年です。

個人再生の期間

個人再生をしてもブラックリストに登録されてしまい、クレジットカードの作成・利用ができなくなります。

CIC（株式会社シー・アイ・シー）だと登録されませんが、JICC（株式会社日本信用情報機構）は5年、KSC（全国銀行個人信用情報センター）の場合は10年も登録されてしまいます。ちなみに、これらの期間の情報は他人が確認することはできませんが、問い合わせることによって自分で確認することはできるようになっています。

自己破産の期間

当然、自己破産の場合もクレジットカードが作れなくなる期間があります。

CIC（株式会社シー・アイ・シー）の場合は5年、KSC（全国銀行個人信用情報センター）の場合は10年です。 自己破産はすべての借金を免除することができますが、家や車などの差し押さえなどのデメリットもついてきます。 利用する際にはよく考えて行動しましょう。

もしわからないことがあれば、気軽に弁護士などに相談してみましょう。相談だけなら無料です。

債務整理後にクレジットカードを作成する時のポイント

債務整理をしたところには申し込まない

クレジットカードは、利用者とカード会社の間の信頼関係によって発行されるものです。クレジットカードを使うということは一時的ではありますが、借金を背負っているということになります。 もし、債務整理実行時にクレジットカードの利用分を債務整理の対象としている場合、社内ブラックに登録されている可能性があります。

公にはブラックリストは存在しないことになっていますが、カード会社の方で「この人にカード発行は二度としない」と社内でリスト化されている恐れがあります。 その場合、同じカード会社にクレジットカードの発行申請をしたとしても、審査否決となりカードは発行されないことが多いです。

一度崩れてしまった信頼関係を修復するということは難しいので、債務整理をした後は同じカード会社に申し込まないほうがいいでしょう。

短期間に複数の会社に申し込まない

クレジットカードは短期間で申し込むと審査に通りにくくなってしまいます。 既述の通り、クレジットカードを使うということは借金を背負うということですので、短期間に複数の会社に発行申請をすると「この人はお金がないのかな？」と思われてしまいます。

そうなると、カード会社は貸し倒れリスクを避けるために、慎重に審査を行うでしょう。結果、審査否認となりクレジットカードを作成できなくなります。 こういった現象を「多重申し込み」といいます。

カードを発行する際に、カード会社は個人信用情報を参照します。 そこには、「いつ、どこの会社が参照した」という申し込み履歴も記載されており、6カ月間保有されます。 そのため、調べられてしまえば複数の会社に申し込んでいることが分かってしまう上、良い印象を与えづらくなります。

債務整理後は早くカードを持ちたいという気持ちを抑えて、一社に絞って申し込みをしましょう。

信用実績を作る

債務整理後、どうしても信用度は0に下がってしまいます。 債務整理の前と同じレベルのクレジットカードを作ろうとしても、実績がないため信用度を計ることができず、審査否認になりかねません。

そのため、まずは信頼実績づくりから始めましょう。おすすめは携帯代です。スマートフォンなどは分割で購入する際に、審査を行います。その審査に通り、毎月しっかりと払っていけば徐々に信頼は積み重なっていけます。

ちなみに、債務整理後に反省してクレジットカードなどを持たないという行為は、個人信用情報がクリーンすぎてしまい、逆に疑われる懸念材料となります。将来的にクレジットカードを持つには信用実績が必要となりますので、まずは携帯代をしっかりと払うところから始めましょう。

個人信用情報を取り寄せて対策を立てる

信用実績は、各個人信用情報機関が保有する個人信用情報を参照すれば分かります。 実はこの情報、個人でも照会すれば簡単に見ることができます。

基本的に個人信用情報機関に対し、「開示してほしい」という旨を伝えれば手数料を支払うことで見ることができます。 CICの場合、インターネットやスマートフォンからでも開示請求することができますが、クレジットカード決済のみですので注意しましょう。 また、機関に出向いて窓口交付で開示してもらうことも可能です。

個人信用情報を取り寄せた後は、現在の自身の実績を確認し、特に問題がないようであれば、今後は債務整理をしないように努めましょう。 もし、信用度に問題がある場合は信用度が低くても発行できるカードなどを作り、信用実績作りを行うなどの対策を立ててください。

債務整理後のクレジットカードの代わりになるカードについて

デビットカード

デビットカードは、クレジットカードのようにショッピングに利用することができるカードです。 ショッピングの後に支払いをするクレジットカードとは異なり、デビットカードの場合はショッピングと同時に口座から請求額が引き落とされます。

デビットカードは、銀行など金融機関の口座に直接結びついたカードです。 口座の残高分だけショッピングの利用ができます。借金をしない仕組みのため、デビッドカードを作成する際の審査は殆どありません。

債務整理でブラックリストに情報が登録されると、金融機関の審査に落ちるためクレジットカードの作成は難しくなります。 一方、ブラックリストの情報が関係ないデビッドカードは債務整理後でも作成できるので、クレジットカードの代わりに利用できます。

家族カード

クレジットカードには、本人が所有するタイプと家族が所有するカードに付随させたタイプがあります。 家族カードは、家族がクレジットカードを所有している場合に申し込めるカードです。家族カードは登録した本人しか使用できませんが、支払いは大元のクレジットカードを所有している家族が行います

。

債務整理を行うと本人が所有しているクレジットカードは使用できなくなりますが、家族のカードには影響がありません。 家族はブラックリスト登録されないので、クレジットカードの作成も問題なくできます。債務者以外のクレジットカードに付随する家族カードは、債務整理の後でも申し込み及び作成が可能です。

債務整理でクレジットカードが使えなくなった時は、家族カードがクレジットカードの代わりとして使えます。

まとめ

債務整理を行うとブラックリストに登録され、クレジットカードの作成・使用ができなくなります。 一生クレジットカードが作れないわけではありません。

債務整理の内容にもよりますが、一定期間を過ぎればクレジットカードも作成できますしローンを組むことも可能です。 多々し、クレジットカードを債務整理の対象にした場合は、事故情報が削除された後でもそのカードを再び作ることが出来ない場合があります。

また、クレジットカードの代わりになるカードに、デビットカードと家族カードがあります。
もしクレジットカードが必要な場合は、これらで代用できないか検討してみてください。