債務整理を本人以外の人が行うことができるケースとは
借金の返済で困っている人は、誰にも相談することもなく、自分の状況を冷静に判断することが難しくなっている場合が多いものです。 家族や友人、恋人などが気がついた時には返済が滞っていたり、借り入れの額が大きくなっていたり一人では解決できないくらいに問題が悪化していることもあります。
本人が債務整理に消極的で埒があかない時は、家族が本人に代わって手続きをしたいと思うのは自然な流れですが、本人以外が債務整理の手続きを行うことはできるのでしょうか?
今回は債務整理を本人以外の人が手続きすることができるのか、また保証人への影響とはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきたいと思います。
債務整理の概要
債務整理とは、借金の減額や支払いに猶予を持たせることができる手続きです。 一般的には任意整理、個人再生、自己破産、特定調停の4つの手続き方法があります。
任意整理は、裁判所などの機関を通さずに、借金を減額するよう交渉する手続きです。弁護士や司法書士を通して行われることが一般的です。個人再生は裁判所に申し立てをすることで、借金を減額し生活が立て直せるようにすることができます。すべての借金の3分の1から5分の1程度まで減額することが可能です。
自己破産は借金を払えないことを裁判所に認めてもらい、法律上借金の義務を帳消ししてもらう手続きです。 特定調停は裁判所にサポートしてもらいながら債権者との交渉を行い、減額などにより3~5年程度で借金が払い終えられるようにする手続きです。 過払い金がある場合には、過払い金請求も債務整理に含まれることがあります。
本人以外の債務整理
本人以外は原則できない
病気などの事情から本人が債務整理の手続きや面談を行うのが難しい場合、代理人を立てて債務整理の手続きをしたいと考える人も少なくありません。 また、家族や友人といった、身近な人が借金の問題に苦しんでいて「債務整理の手続きを代わりにしてあげたい」と考える人もいます。
しかし、債務整理は本人が行う必要があり、恋人や友人などの親しい関係や家族であっても、原則として債務整理の手続きは本人以外が行うことは出来ません。
債務整理には債務者本人との面談が必要なケースがある他に、個人情報の中でもとくに重要な情報が必要となるため、金融機関などの債権者側は本人以外に、その情報を開示してくれないことが理由として挙げられます。
債務整理は基本的に専門家に代理人なってもらう
本人以外の恋人や家族が代わりに、債務整理の手続きや依頼を行うことは原則として出来ません。 ですが、本人の意思表示があり債務者本人からの依頼であれば、弁護士や司法書士の専門家に代理人になってもらうことができます。
債務整理することはリスクもあるため、依頼をする場合は本人との面談が必要で、本人に代わって友人や家族が専門家へ依頼をすることはできません。
正式に債務整理の依頼をした場合は、委任状を作成し専門家との間に委任契約を結びます。 委任状とは委任する事項の内容などが記載されたものです。 それによって、専門家は初めて代理人として債権者への受任通知や資料請求といった働きかけを行うことができます。
委任状があれば任意整理ならば本人以外の家族でもできる
債務整理は原則として「本人以外は行うことができない」としてきましたが、例外として家族や友人、恋人でも、報酬が発生しない場合に限り委任状があれば代理で「交渉のみ」を行うことが可能です。そのため、金融業者と直接交渉する「任意整理」であれば代理人が行うことは可能です。 しかし、多くの場合で素人相手では相手にしてもらえません。
また、弁護士などの専門家以外が代理交渉を行い、報酬を受け取ることは違法行為になります。 そのため素人が債務整理を代理で行っても、メリットはほとんどありません。
弁護士と司法書士どちらに依頼する?
弁護士と司法書士の違い
弁護士と司法書士はどちらも法律業務を扱う職種ですが、実は明確な違いがいくつか存在します。 債務整理を依頼する事務所選びにおいて、弁護士と司法書士の違いは非常に重要となるので事前に把握しておくと良いでしょう。
弁護士は法律に関する高度な知識と技術のある、法律業務のエキスパートです。
一方の司法書士はある程度の知識を持っているものの、本来の業務は不動産などの登記となります。 債務整理が専門業務ではなく、業務に制限が設けられています。 そのため司法書士は140万円を超える案件を扱えず、個人再生や自己破産で代理人になることができません。
司法書士に依頼しても裁判所へ同行してもらうことができないので注意してください。
任意整理は司法書士も検討する
司法書士は140万円以下の任意整理なら扱うことができます。 司法書士の方が弁護士よりも費用が安い傾向にあるため、140万円以下の案件なら司法書士に依頼するメリットがあります。
任意整理なら弁護士は約30万~40万円、司法書士は約20万~30万円が相場です。 司法書士に依頼した方が費用を10万円程度抑えることができます。 任意整理は減額幅が小さいので明らかに140万円を超えない案件であれば、司法書士を検討しても良いでしょう。
140万円ギリギリなら手続きの途中で請求額が増えることもあるので、弁護士に依頼しておいた方が安全です。 また、司法書士の事務所は地域密着型の所が弁護士事務所に比べて多いため、地域の隔たりなく依頼できるのもメリットの1つと言えるでしょう。
個人再生と自己破産は弁護士に依頼する
個人再生や自己破産は借金を大幅に減額、免除できる手続きです。 そのためほとんどのケースで請求額が140万円を超えることになります。
司法書士は140万円を超える案件を扱えないので、弁護士に依頼しておくのが一般的です。 司法書士は書類を作成する書類作成代理人となることはできますが、裁判所での手続きは依頼者だけで行う必要があります。
素人が賃金業者と交渉すると、不利な和解を申し込まれることが多いです。
司法書士を雇うなら、多少の費用はかかりますが弁護士に依頼しておいた方がメリットは多いでしょう。 弁護士なら債務整理の種類や金額を問わず、手続きの最初から最後までサポートして貰うことが可能です。
債務者本人が亡くなってしまった場合に行うこと
相続人に債務が継承する
借金を払っていた本人が亡くなった場合には、相続人が支払い義務を引き継ぎます。 ですから、相続する前に遺産の中身について詳細に調べる必要があります。
>亡くなった本人以外は全く知らない借金という場合もあります。 その場合、遺産を相続してしまうと借金も背負ってしまうことになります。 そうならないためにも、遺産を相続するときには借金がなかったかを調べることが大切です。
借金を調べるためには家に督促状が届いていないか、亡くなった人の口座から引き落としがないかなどを確認します。 金融機関からの借金を正確に調べるためには、個人信用情報機関に問い合わせるといいでしょう。
金融機関以外の借金を友人からしているかもしれませんので、友人に借用書などがないかを聞くことも忘れないようにしましょう。 その上で債権者リストを作ると、借金の総額が見えてきます。借金の総額と遺産の額を比べることで相続したときの損得が分かってきます。
相続放棄を検討する
債権者リストを作って借金の総額が分かれば、相続して払っていけるかどうかの目途が立ちます。 相続人が残された借金を払えないという場合には、相続放棄を検討するといいでしょう。相続放棄は故人が亡くなってから三か月以内に、家庭裁判所で相続放棄の申述の手続きをすることで行えます。
相続放棄をすると、借金の返済義務を相続しなくてもよくなります。ただし、三か月を過ぎてしまうと相続放棄をする権利を失ってしまい、相続することになります。また、相続放棄は全ての遺産の相続をしないことなので、家などの財産も相続できません。財産だけを相続するということができないので、しっかり検討してから相続放棄の決定をしましょう。
ある遺族が相続放棄をすると相続順位が下位の人に相続権が移ります。下位の人は知らないうちに遺産を相続してしまう可能性があります。 そうならないためには、相続放棄を親族で集まって決める必要があります。故人の両親、兄弟までが相続放棄をすれば、それ以上に相続権は発生しません。
保証人と連帯保証人の比較
保証人と連帯保証人には違いがあります。
両者とも主債務者が返済困難になった際、代わりに返済の義務が発生する点では同じですが、立場には違いがあります。貸金業者が支払い請求をしてきた際、保証人にはまずは主債権者に請求をするように主張が出来ます。 一方の連帯保証人には同様の主張は出来ません。
主債務者に支払い能力があるにも関わらず拒否した場合、保証人なら貸金業者に主債務者の財産への強制執行をする様に主張することが出来ます。しかし、連帯保証人にはその主張は出来ず、主債務者の支払い能力に関係なく、業者に返済しなくてはなりません。
保証人、または連帯保証人が複数いる場合、前者なら人数分での分割された金額の返済ですが、後者ですと人数に関わりなく全員に全額の支払いが生じます。
このように連帯保証人は主債務者と同様の責任を負わねばなりません。 一般にお金を借りる際の保証人は、連帯保証人の事を指すので注意が必要しましょう。
債務整理をした時の連帯保証人への影響にはどのような効果があるか
任意整理をした場合の影響
任意整理を行った場合、連帯保証人にも少なからず影響はあります。 連帯保証人は債務者の代わりに借金を支払う人ですので、債務整理をすると債権者から連絡が来て、債務の支払いを請求されます。
任意整理は裁判所を介さない任意の手続きのため、整理する債務を選択することができます。 そのため連帯保証人が付いている債務を対象から外して、任意整理をすることができます。
任意整理を行わなければ、連帯保証人への影響はありませんので、迷惑をかけたくない場合は任意整理の対象から外しましょう。
個人再生・自己破産した場合の影響
自己破産や個人再生が行われた時、債権者は連帯保証人へ請求をします。
自己破産は借金返済の完全な免除、個人再生は返済額を5分の1から3分の1ほど減額できるので、債権者にとっては大きな損害となります。 その損害を埋めるために連帯保証人へ請求をします。 そして連帯保証人は返済をする義務を背負うことになります。 その借金額がとても支払えない金額であった場合、連帯保証人も自己破産や個人再生などの債務整理を申立てする必要が出てきます。
自己破産・個人再生をする場合、連帯保証人に多大な迷惑をかけるので、債務整理をする際は連帯保証人に報告をしましょう。 裁判所に申立てをする前に法律事務所の専門家に、自己破産、個人再生をしたら連帯保証人はどうなるのか相談をすることも大事です。
家族への影響はない
債務者が債務整理を行った際、その身内である家族には保証人として返済の義務があるのでは、と思っている方も少なくありません。 借金の連帯保証人というものは、契約書にサインをした方のみが保証人としての権限があります。
いくら家族の人間でも契約書に連帯保証人のサインをしていなければ、借金の肩代わりをして借金返済をする義務は発生しません。 ただし、自己破産をした場合は債務者の所有財産は没収されるので、その家族の家や車は差し押さえられ家族は被害を被ることになります。
必ず連帯保証人には債務整理をすることを伝える
債務整理を行う上で大事なことは、債務者個人で決定して債務整理を行わないことです。連帯保証人がいる場合は、その連帯保証人も借り入れ時にサインをしているので、借金は債務者ひとりのものではありません。
前述した通り、債務整理の中でも自己破産や個人再生は、債務者の借金が軽減できて楽にはなりますが、そのしわ寄せはすべて連帯保証人の元へやってきます。債務整理の影響で、連帯保証人も借金返済に追われ自己破産などを行うまでに追い詰められることもあります。 それが原因で債務者と連帯保証人の仲が険悪となり、トラブルに発展することもあります。
債務整理をする前には連帯保証人に事情を話すことがトラブル回避となります。
債務整理時の連帯保証人への影響を抑えるためには
借金額が少額の場合は協力してもらい完済する
もしも債務者が借金を返済できない場合、債務者に代わって連帯保証人が債権者に返済する義務が生じます。
同様に債務者が債務整理をすると、債権者は連帯保証人に返済を請求できるようになってしまいます。 これは連帯保証人に大きな迷惑をかける原因です。 このことをきちんと理解したうえで、債務整理の方法を選ぶことが大事です。
もしも借金の金額が少額であれば、債務整理をしない方法で、完済を検討してみてください。 たとえば、親や兄弟、友人などに窮状を打ち明けて、協力してもらって完済するのも一案です。
連帯保証人も一緒に債務整理をする
しかし、周りの人に頼れない事情を抱えた人もいるでしょう。 借金が少額なら、債務者と連帯保証人が連名で任意整理の手続きをする方法があります。連名で手続きすれば、債権者は債務者だけでなく、連帯保証人へも返済請求ができなくなります。 もちろん、これは債務者が債権者へ約束通りに返済することが大前提です。
ただし、連名で任意整理を行うと、連帯保証人も債務者とともに「個人信用情報機関」に事故情報が登録(ブラックリストに掲載)されてしまいます。このように連帯保証人がいる場合の債務整理は、保証人への影響をできるだけ抑える方法を選ぶことが重要です。 よく話し合ってお互いの理解と納得を得てから、手続きを進めましょう。
まとめ
債務整理は本人以外の人が行うことは、原則できません。
手続きを行うためには本人意思が重要であり、家族や友人であっても代わりに行うことができません。 ただし、委任状があれば場合によっては本人以外の人でも債務整理を行うことができます。
通常、弁護士や司法書士の専門家に代理人になってもらいますが、その際も委任状は必要となり、本人以外の人が依頼することはできないので注意しましょう。
また債務整理をすると、連帯保証人がいる場合は影響が出てしまいます。基本的に債務整理を行うと、連帯保証人へ代わりに請求が行きます。ですので、なるべく影響が出ないように対策を講じることが大切です。どうしても連帯保証人のいる債務を債務整理をしなければいけない場合は、必ず事前に相談してその後について話し合うようにしてください。
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